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OSK春のおどり2015(その7)

カウンターを見ると、いきなりアクセスが前日の3倍ぐらいになっている。
みなさん、牧名ことりちゃんの退団に関する記事を求めていらっしゃるのだろうと思うけど。
ごめんなさい、大したこと書いてなくて。

さて、6月に松竹座で上演された「春のおどり」の感想です。
(秋に南座公演があるとは言え、ことりちゃんの松竹座出演はこれが最後だったのだと思うと感慨深いものがある)


(この記事はOSK春のおどり2015(その6)からのつづきです)

今回の「春のおどり」は高世麻央さんがトップスターになってから初めての松竹座ということで、第1部と第2部の間に10分間の口上が入ることになっていた。

今までの公演でも口上が入ることはあった。

例えば、昨年退団した桜花昇ぼるさんがトップスターになって最初の松竹座公演では第1部の途中に口上があり、桜花さん以下上位の男役5人が並んで挨拶をした。
劇団創設90周年記念公演のときにも桜花・高世・桐生、3名の口上があった。

松竹座公演でなくても、新入団生のお披露目で口上が行われた時もあった。

そういう場合、歌舞伎の襲名披露のように、正座して手をつき「隅から隅までずずずいっと~」的な挨拶がおこなわれるのが恒例であった。

今回は前後に休憩が入って、独立した出し物のようになっているのが異例と思えたが、実際にすることは今までと同じだろうと何となく思っていた。
たぶんほとんどの人がそうだったろうと思う。

それが。
第1部の幕が下り、しばしの休憩の後に再び上がって現れた舞台を見て、「おおっ」となった。
従来の例からして、上位の数名だけが挨拶のために正座しているのを予想していたところに、劇団員全員が袴姿で整列している。

結局、挨拶を述べるのは最前列の9名だけなのだが、ただ立っているだけでも総勢39名が揃いの着物と袴で並んでいるのは壮観である。

その挨拶だが、「ずずずいっと」的な言い回しは全然なかった。普通によろしくお願いしますという感じの挨拶だった。
まず、劇団最古参で特別専科の緋波さんが軽く挨拶したのち、劇団員から新トップへお祝いの言葉を贈る旨の紹介をする。序列の上から順に一言ずつ述べた後、もう一人の特別専科である朝香さんが橋渡しをして、最後に高世さんがトップスターとしての抱負を語って幕。
決められていたのはこのような手順だ。
各人の言葉は1分以内におさめるようにとのことだったらしい。

初日。

緋波さんの紹介を受けて、桐生・牧名・折原の順で一言ずつ挨拶があった。
高世さんと特別専科の二人を含め、ここまでが近鉄がOSKを経営していた時代からの在団者である。
近鉄の支援打ち切りにより劇団が解散したのち、再結成して初めての松竹座公演で23名いた仲間も今ではこれだけになった。
次は再結成後に入団したメンバー。若手男役三羽烏の真麻・悠浦・楊。
そして、後列以降に整列しているのはすべて彼らの同期乃至は後輩たちである。

こうして見ると、トップスターが交替しただけではない、OSKもいつしか新時代に入っているのだという感を強くする。

さて、初日の桐生さんから折原さんまでの挨拶。
特に可もなく不可もなく、このような場合に普通に誰もが言いそうな当たり障りのない内容だったと思う。
おめでたいことだから、晴れがましいがちょっと退屈。
この調子でずっと続くのだろうな、と思っていたら。

真麻くんのターン。
いきなり「高世さんを花にたとえます」

え、ここはそういうフリートーク的な場だったのか?

ちなみに高世さんは花にたとえれば金木犀。良い匂いがするからだそうだ。

三羽烏二番手悠浦くん
「高世さんをパンにたとえます」

悠浦よ、お前もか。
しかも花ならまだしも、トップスターをパンみたいな日常的な食べ物にたとえるか?

さらに続けて三番手、楊さん
「高世さんを魚にたとえます」

これではまるで、高世さんをスーパーで売っている商品でたとえて見ましょう比べをやっているようではないか。

フリーダムな若手の暴走に客は大ウケの大盛り上がり。

そこを、さすがにベテラン、特別専科の朝香櫻子ちゃんがにこやかに場をおさめ、再び厳粛な雰囲気に戻して高世さんにバトンタッチ。
トップスターとしてのきっちりしたご挨拶で幕。

さあ、これはおもしろいことになった、と思ったのは私だけではあるまい。
次から、三羽烏の三人が何を言い出すか。
これは楽しみだ。

そして、その日の2回目・夕方の公演で。

桐生さんが学校生時代一期上だった高世さんとの思い出話をした。ちょっと笑えるエピソードではあったが、このような私的な内容を挨拶に織り込むのは、文楽の襲名披露の場でもあったことだ。
でも、1回目のときと比べると、くだけた感じのご挨拶になったのはたしかだった。

2番手、牧名ことりちゃん。
「高世さんを宝石にたとえます」
なんと、牧名さんまで。
若者風にいうなら“たとえ話キターッ”というところだろうか。

これは私の個人的な想像なので実際どうなのかわからないが、どうも挨拶の一言の内容はそれぞれが別個に考えていて、横の連携というか打ち合わせは全然なかったように思われる。
そして上位の劇団員はどちらかいうと格式にのっとった当たり障りのないあいさつを毎回ほぼ同じような内容で述べることにしていたのではないだろうか。
と、いうのは、特別序列の緋波さんの挨拶は最後までほぼ変化がなかったし、朝香さんのあいさつもほとんど同趣旨の内容が続いた。
そして折原さんも2日目の夕方の公演、つまり4回目までほとんど同じ内容のご挨拶をくりかえした。
私はな~んとなく、桐生さんや牧名さんも同様にする予定ではなかったのかな、と想像している。(違っているかもしれません)

同じ公演を何度も観る熱心なファンよりも、1度しか観ないお客さまのほうが多いのだろうから、それでいいと思う。

でも、初日1回目。
フリーダムな3人が大ウケをとったのを見て、ことりちゃんの負けじ魂に火が付いたのではないか。
そんな気がする。
あるいは冷静な判断として、ここは堅苦しくいくよりも客席を沸かせて雰囲気を盛り上げた方がよいということになったのかもしれない。

本当のところは謎だが、これ以降、桐生さんと牧名さんも若手3人組に劣らず自由なトークで大いに客席を沸かせた。
3日目の昼の公演、つまり5回目のご挨拶ではついに折原さんが「高世さんと同じ誕生日の人の性格を調べました」と言って、ふところから小さなメモを取り出したところで、客席の笑いをとり、両端の緋波さんと朝香さんに挟まれた6人のご挨拶は「高世さん」をテーマとする楽しいトークショーとなったのであった。

各回のごあいさつでどんなことが話題にあがったかは、その日に観劇した人がツイッターに投稿した感想をまとめたサイトで知ることができる。
 →まとめサイト

7日の公演期間、14回のごあいさつで、高世さんは、花・宝石・動物・犬・魚・パン・寿司・フルーツ・食べ物一般・城・家具・アニメキャラなど、さまざまなものにたとえられた。
高世さんはいつもいい匂いがして、色が白くて、笑うと歯が光り、身体が細いけれども肩幅はある。
行動はすばやく、考え方も柔軟で、家電に強いがガラケーを使っている。
下級生にとっては、一見厳しそうな印象を与えるが、実は優しい人。

今回のごあいさつによって、高世さんがどんな人なのか、ずいぶんと知ることができたような気がする。
そして、こういう場合、高世さんのことを話しているのではあるが同時に話している本人の性格も表れてしまうものである。
興味深いのはやはり若手3人組で、真麻さんはクレバーに計算されたウケ狙い、悠浦くんは本人大まじめにやっているのが笑いをかもす、楊さんは発想がユニーク(普通、人間を城や家具にはたとえないと思う)。それぞれ、おもしろいのだが、全体を統括して配分を考える人がいないため、結果としてまとまりのないグダグダな印象になる。
でも、そこがおもしろかった。
今日はどんな話が飛び出すか、予想のつかない所が楽しみで、実のところ、今回の「春のおどり」でいちばんの楽しみはもしかしたら、このトップ披露のご挨拶だったかもしれないぐらいだ。

こんなことになるとは公演前には予想していなかった。

従来のようにショーの合間に口上が入る形式だと、折角盛り上がったショーの流れがそこで停滞するきらいがあった。
その点、今回は第1部と第2部のショーから独立した形で口上が行われたのがよかった。
挨拶の言葉を口にするのは数名でも、舞台上には全員が並んでいたのもよかった。
これから劇団員が一丸となって高世さんを支えていくという決意の表れが感じられるようだった。

第1部と第2部の間、前後に休憩をはさんだ10分間の口上。
正直、複数回観る者にとっては2回目以降は我慢の時かなと思ったりもしていたのだが、なんのなんの、毎回楽しみで10分間が短く感じられること。実際、一人1分以内と言う指定があったというご挨拶は日を追うごとに時間が延びて千秋楽には全体で15分ぐらいになってしまったがそれでも長いと思わなかった。

最終回に楊さんの音頭で客席から「高世さん、おめでとう」が言えたのもよかった。

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