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プリメール王国物語について(4)

「プリメール王国物語」の脇役陣について書いてみよう。


まずは、プリメール王国の王宮の人たち

王宮チーム

レオナード王子の従者・オーギュスト(華月奏)
セリフから類推するに、幼い時から王子の側で仕えているらしい。
物語の進行役も兼ねている。
華月くんは悠浦くんの一期下である。
これまでも何かと注目される悠浦・楊のかげで地味ではあるがきっちりと仕事をしているという印象だったが、このところ、蓄えた実力を発揮して着実に存在感を増している感がある。
今回の公演でも、主人公のフォロー役を務めつつ、物語進行のためのナレーションも受け持ち、膨大なセリフを危なげなくこなしている。
再演では他の出演者との軽妙なやりとりで客席の笑いをとるのも堂に入ったものとなった。

レオナード王子の自称婚約者・パトリシア(美月あんじゅ)
貴族の令嬢だが、私は単なる名門というだけではなく王家の親類かなんかでレオナード王子やオーギュストとは幼馴染的な関係ではないかと思っている。
そのように考えなければちょっと理解できないほど、王子に対して馴れ馴れしく、押しかけ婚約者よろしく強引にせまっても、王子は「困ったな」という態度をとるだけできっぱり否定したり怒ったりしない。小さい時から「わたし、大きくなったらレオ様のお嫁さんになるの!」と言っていて、王子の方では可愛い妹と思っているから恋愛対象としては想定外という、これも昔っからよくある設定なのではないだろうか。
このぶりっこで思い込み強く押せ押せで一人合点のお嬢様を、美月さんは思いきった演技で立派にコメディ・リリーフとしての役割を果たした。とにかく登場して第一声を発するところから、客席に笑いが起きた。アドリブも多く、毎回大いに楽しませてくれた。テンションは高いが、可愛げがあり、どことなく憎めないところもある。
再演ではコミカルな演技がパワーアップしていた。

レオナード王子の祖父・国王ジェイムズ(緋波亜紀)
この公演で唯一、ベテランの劇団員、特別専科の緋波さんは、さすがに安定の演技。おとぎ話ではあるが、この人の存在で場がひきしまる。
物語の最後のほうで、国王が王子たちに課題を与えた理由を一人語りする場面があって、さすがに緋波さんの達者なセリフまわしでも教訓的な絵解きを長々と聞かされるのはちょっと流れが停滞するなと思っていたのだが、再演でその場面はオーギュストの質問に国王が答える形式になってかなりテンポがよくなった。

小姓・ルネ(天輝レオ)
プログラムを見たら、“ジェイムズの従者”になっていたが、誰が見てもあのおかっぱ頭はペイジ(小姓)でしょ。
天輝くんは、初演時に入団1年目。一般に新人さんほど成長の幅が大きいもの。再演では単純に上手くなったなーという印象。以前には感じたぎこちなさが無くなった。



王子の二人の弟たちと、その求婚相手。

弟たち


この人たちは、いわばコメディ担当で、王国の後継者の座を争っての嫁取り合戦という古典的なおとぎ話を構成する。
主人公が障害を乗り越えて初恋を成就させるというシリアスな本筋に対して、こちらはある意味サイドストーリーとして本筋の合間に息を抜くところ、というか気楽に笑える部分である。
だから、人物は類型的でいいし、はっきりと特徴を出すためにはむしろやりすぎぐらいでもちょうどいい。
みんな、おとぎ話の中の登場人物なのである。

第2王子ルミナス(すばる未来)
バレエが得意な王子様。すばるくん自身もバレエが得意らしい。その特技を生かして王国一の美女の心をとらえようとあの手この手。他所のブログで、「ルミナス王子、ころころして可愛い」と書かれていた通り、長身の第1王子(悠浦)、第3王子(登堂)にはさまれて、小柄な体をゴムまりのようにはずませて踊っているのが愛らしい。
ところが、ちょっとびっくりしたことには、ルミナス王子じゃない時にはすばるくんは全然ころころしていないのである。
ルミナス王子としてではなく踊る場面は、劇中でのカーニバルとフィナーレの群舞である。カーニバルの方はマスクで半分顔を隠していたりするのでわかりにくい。フィナーレで男役ばかりでカッコよく踊るところがあるのだが、ふと「ころころした人」を探したらいないのだ。良く見たら、華月くんの次にシュッとした感じで踊っているのがすばるくんだった。下級生二人のほうが身長は高いのだが、ダンスになると動きがいい人の方がスマートに見えるのだ。

第3王子ステファン(登堂結斗)
戯画的なまでにキザでカッコつけの演技が大いに客席の笑いを誘った。大げさな身振りやセリフで笑いをとるのは、コメディの演技としては初歩的だが、黙って立っていれば長身で端正な顔立ちの登堂くんが思いきってコメディを演じるのはミスマッチなおもしろさがあった。
再演では、キザな演技がグレードアップしていたが、それよりも注目に値するのは、役替わりの回に全く違ったキャラ作りをしていたことだった。
他の人たちも役替わりのときには、少しずつ演技や髪型のアレンジなどを変えていたようだが、これほどはっきりと違いを出していたのは登堂くんだけだった。
横ではねていて髪型を真ん中わけにして、おどおどと気弱で、という今までとちょうど正反対のような人物。
同じセリフでも演じ方によって全く違った性格の人物を表現できるというお手本を見るようだった。

すてふぁん すてふぁん タイプ2


ルミナスの求婚相手・マリアンヌ(桃葉ひらり)
王国一の美女で、実はプレイガール(このごろ、あんまり言いませんね。男ならさしずめ女たらしと言うところですか。)お人よしのルミナス王子がころころところがされているのが不憫。
正体がバレた後の豹変ぶりがいかにもな感じで、声のトーンもしゃべり方もそれらしく猫っかぶりの時とははっきりと変わるのがおもしろい。

ステファンの求婚相手・ジェニファー(千咲えみ)
名門だが実家は破産。財産目当てに求婚を受ける。いかにもお金目当てというのが見え見えの態度やセリフなのだが、ステファンがそれに気づかず翻弄されているのが愉快なところ。



どちらのカップルも、片や王位継承権めあてのパートナー探し、片や財産目当てだったり遊びだったり、と愛のない欲得ずくの関係なのはお互い様。どっちもどっちという感じで、かけあいのおもしろさをストーリーの箸休め的に楽しめばいいところだ。
ただ、おとぎ話としての枠組みのせいか、みんなそれほど悪人には見えず、どこか間の抜けた可愛げがある人物に思えた。
そして、正体がばらされて王位継承もペケになった後、舞台後方でそれぞれ本筋とは別に小芝居をやっていて、どうやら和解をしたらしく、主人公の結婚式の場ではちゃんとカップルになっている。
そのあたりも、「みんな幸せに暮らしました。めでたしめでたし」というおとぎ話の結末にふさわしい。




アルヴェリア王国の人たち

アルヴェリアチーム


人たち、と言っても、出演者が13人しかいないから、アルヴェリア・チームはリゼットとクロードの他は、侍女二人しかいない。
左が初演のサリーとローザ。右が再演のサリーとローザである。


リゼットの侍女・サリー(実花もも)

初演でのサリーの衣装はなぜか膝丈のスカートにブーツだった。他の女性出演者はくるぶしより長いドレスなのに、独りだけ毛色の変わったいでたちという感じがした。あきらかに地位が上のはずのクロードに対して侍女の分際でタメ口で話すのも不思議だった。
再演を前にして、私はこの謎に自分なりの解決をつけていた。
それは、(脚本にはまったく表されていないが)サリーはローティーンの少女という設定なのではないか、ということだった。ローザは「リゼット様の侍女でございます」と名乗る場面があるが、サリーはなんとなくリゼットの身の回りの世話をしているが特に自己紹介はしない。つまり正式な侍女ではなく、見習いみたいな立場ではないか。そして、本来リゼットの侍女だったローザがクロードの手先になってしまっているのに義憤を感じて世話係を買って出ているのではないか。12歳ぐらいの少女だから、礼儀をわきまえず、クロードに対してタメ口だったり、ローザが持っている手紙を遠慮なく取り上げたりするし、仕えているリゼットのために一生懸命になる。もちろん少女だからスカートも短いのだ。
(年下なのに、なぜリゼットが子供のころのことを知っているの?という問題もある。元々リゼットのお世話係だった乳母かなんかの娘、とか。忠実な乳母が何かで死んじゃったためにクロードがやりたいようにできた、とか)

折角、そういう辻褄合わせを考えたのに、再演で全部ひっくり返ってしまった。
つまり脚本が手直しされて、サリーのセリフがタメ口ではなくなり、クロードに対して敬語で話すようになった。そして衣装もスカートが長くなり、ローザとお揃いな感じになった。
いや、こっちのほうが矛盾がなくていいよ。でも、それじゃ初演のあれはなんだったんだ。何か脚本家の意図があったのだろうと思うが。


リゼットの侍女でクロードの手先・ローザ(初演・榊紫之、再演・由萌ななほ)

一国の王女であり、その後見人というのに、部下が一人ずつしかいないというのもどうなの、という感じではあるが、まあ出演者総勢13人だからね。
初演でローザを演じた榊さんが退団したので、今回は由萌さんがローザ役として加わった。
榊さんは若手の娘役の中でも個性的な人だったので以前から注目していた。(マザーグースカレンダーに協力してもらったこともあるし→これ)それに対して由萌さんは大勢いる若手娘役の一人としか認識していなかったので、仕方のないことではあるが、役者が替わるのが残念だった。
出演者が変わらない再演に、一人だけ新しく加わるのはきっといろいろ大変だったりするのだろうが、実際に公演が始まってみるとそんなに違和感はなかった。


最後に12年前の回想場面で登場する子供時代のレオナードとリゼット

どちらも二役で、小レオナードは初演が榊さん、再演では実花さん、小リゼットは千咲さんが演じた。二人の衣装が、子供らしいデザインではあるが、大人になってからの衣装のテイストをうまくアレンジしてあるのが芸の細かいところだ。
実は、榊さんの不在についてローザ役よりもこちらのほうがどうなるのか心配だった。ソロで歌うところがあり、榊さんはなかなか上手なところを聞かせてくれていただけに、今回代わりに入る由萌さんがこの役もするのだったら大丈夫だろうか案じられた。
蓋をあけてみれば、実花さんが小レオナードとサリーの二役することになっていた。実花さんなら歌もうまいし、小柄で丸顔なところも少年役に適している。なぜ最初から実花さんがこの役ではなかったのか、と思うぐらいだが、何か理由があったのだろう。
ここで少年役をするから、違いをはっきりさせるためにサリーは大人になったのかもしれない。

この二役には2等身の絵はないので、代わりに『星空の歌』の場面をあげておく。

RY-milky-way-ちび二人2


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