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プリメール王国物語について(3)

やっと、ここから先日の再演を見ての感想です。(前置きが長すぎた よろり)


私は初演の「プリメール王国物語」が好きだったので単純に再演が嬉しかった。
せっかく新調された豪華衣裳が再び活用されるのもめでたい。
そこへ、役替わりという楽しみも加わった。

ぷりめーるの3人 本役バージョン


幕開き、おなじみの歌が始まって舞台奥で振り向くレオナード王子。

悠浦レオナードバージョンは、まさに「おかえりなさい、王子!」と言いたくなるキラキラ全開の笑顔。


そして注目の楊レオナードは。

あ、髪型が違う
あ、衣装の色が違う。リボンタイをしてる。よく見ると上着やベストのデザインも違う。
悠浦レオナードのコピーじゃなくて、ちゃんと楊さん仕様のレオナードになってる。
衣裳担当の方が、二人のカラーの違いを考慮して、楊さんに似合うデザインを考えられたに違いない。

楊レオナードは、キラキラした笑顔よりも強い意志を感じさせる瞳の光が特徴的だ。
ほんわかキラキラ王子に対して、きりりとした眼ぢから王子。

元々、この役は悠浦あやとが演じることを想定して書かれたに違いない(と思う)ので、それを別の人が演じるのはどうしても不利になる。
でも、楊レオナードはこういう感じもOK、だよねと思わせる説得力があった。
オリジナルよりも少しだけ積極的でしっかりしている。
こちらのキャラの方が好ましいと思う人もいるだろう。
ただ、しゃんとした分、この王子にはお付きのオーギュストは要らないんじゃないか、と思わせてしまう。


クロードのほうはどうかというと、こちらの役のほうがおそらく解釈に幅を持たせることが可能なのだろう、どうやら悠浦くんが気を入れて役作りをした成果もあってか、オリジナルとはかなり違った、もっとずっとあぶない人物になっていた。
レビューカフェでも感じたことだが、悠浦クロードにはアブノーマルで危険なものが感じられる。
美しく(それは申し分ない)声音はなめらかに優しげだが、その中に常軌を逸した恐ろしさが潜んでいる。
それなのに、リゼットの魔法を破られた後のぺしゃりようは、どんなもんだろう。
そこが悠浦クオリティなのかもしれないが、とにかく相手が眼ぢから王子なだけに、負けたとなったら完全に見る影もなくぺっちゃんこになったらしい。
その身も世もない絶望の表情は哀れをさそい、「ク、クロード、可哀想・・・」と楊クロードの時にはついぞ感じたことのない感情が湧きあがってしまった。
思わず、クロードがかわいそうだからリゼット人形のままでいてあげようよ、と言いたくなる。

もしもクロードが人間ではなくて、リゼットを愛するあまり人の姿をとって現れていた精霊かなにかだったら、もはや神通力を失って消滅しそうな勢いだ。

楊クロードの場合は「この場は譲ってやるが、もしもリゼットを不幸にしようものなら、どうなるかわかっているだろうな」という秘かなふてぶてしさが見え隠れする。眼ぢからクロードなのである。

ぷりめーるの3人役替わり 役替わりバージョン



この芝居は、他の役もそれぞれ性格づけに特徴があり、若手中心ながらそれぞれ自分の役割を十分に果たして好演だったというのも評価できる点だと思う。

再演に際し、みんな役作りに工夫を加えたようだった。
表面的なことで言えば、髪型などが少しずつ初演の時とは違っていたと思う。
娘役の髪飾りの位置や傾け方も変化があった。
もちろん、その変化は演技の面でもみられた。

悠浦・楊の二人は、役替わりという大役があったためか、本役での初演と再演の違いは今一つわからなかった。
見る側も、役替わりでの二人の違いということに眼を奪われて、それ以外には注意が行かなかった面もあるのかもしれない。

一方、リゼット役の舞美さんは、自分の役は変わらないものの、回ごとに相手役が交替するというのはたぶん大変だっただろうと思う。
ただ、相手によって演技を変えているようには見えなかった。
それよりも目に留まったのは、初演の時との違い。

クライマックスで、レオナードとクロードが対決する時。レオナードの歌に反応してリゼットにかけられた魔法が解け、リゼットが歌い始める。
初演ではレオナードの歌に途中からリゼットが唱和して、なんとなく二人が手を取り合ってデュエット、という感じだっただが、再演でのこの場面は、歌い始めたリゼットのリアクションが「え、わたし、歌ってる?魔法が解けたの?そうよ、わたし自由になったの、歌ってるの!」という驚きと喜びがはっきりわかるものになっていた。
魔法にかかっている時の無表情と、魔法が解けた後の生き生きした表情にもはっきりしたメリハリがついた。

初演とあきらかに演出が違ったのは、カーニバルで踊る場面である。
レオナードの誘いに応じてカーニバルに来たリゼット。群衆の中でやっと出会えた二人は人々の踊りの輪に加わる。リゼットは心が少し動いてはいるものの、まだ強い魔法の影響を抜けてはいない。初演では、ここでリゼット役の舞美さんは顔は無表情のままで、きびきびと踊った。
人形のはずなのに、踊るとなると誰よりもしゃきしゃき踊っているというミスマッチがOSKらしくて私にはおもしろかった。いきなりの飛び入りのはずなのに、周りの人と振りがぴったりそろっているという不思議は歌劇ではありがちなことだ。

再演でのこの場面は、踊りが始まるとリゼットはとまどったようすで、なんとか周りの人についていこうとするが、結局音楽に合わせて踊ることはできない、というふうに変わっていた。この変更は演出家の指示なのか、本人の工夫なのかわからないが、こちらのほうが自然である。

ただ、私は状況的には不自然でも踊る場面は全力になっちゃって周りとびしっとそろっているのがOSKの娘役らしくて好きだった。
それと、あのちょっと重そうな衣装でかなり激しい振付のダンスを軽やかに踊る舞美さんは、この場面の見どころの一つだったので、それが見られなくなったのは残念なのだ。

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