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プリメール王国物語について(2)

(※ 文中に出てくる劇団員さんのお名前は敬称があったりなかったり、その時の気分でばらばらですが、悪しからず。)


2014年11月に「プリメール王国物語」初演が好評のうちに千秋楽を終え、新年が明けて2月。

OSKでは、レビューカフェという形態の公演が始まった。
一口で言えば、ディナーの無いディナーショーというのが近いだろうか。
宴会場の丸テーブルについた客に、小さいステージ上で、或いは客席の間をまわりながらショーを見せるという形式である。
この形では、ガンガン踊るというわけにはいかないし、出演者も少人数なので少々物足りない気もしていたが、それだけに出演者と客との距離が近く、普段あまり聞くことのない歌やトークを聞けたりするのが、おもしろいと言えなくもない。

そして2月、プリメール王国物語の主要キャスト3人によるレビューカフェがあった。その前に7月に再演のあることが発表されていたから、公演の前宣伝という意味もあったのだろう。

それでは、当時のツイッターの私の投稿から(青字がツイッターからの引用)


OSKのプリメール・カフェ。
15時のだけ見るつもりが、17時のも追加。そして帰宅してからニコニコ動画の映像を見て。
どんだけ好きなんだ、プリメール。いや、リアル・キラキラ王子が手を延ばせば届くところを通り過ぎてゆく、なんて状況こたえられませんわ。



そう、とにかく近いのだ。
11月の公演ではあまり前方席ではなかったが、それでも悠浦王子のキラキラ・パワーには抗い難いものがあった。それが近くで観るとその破壊力たるや、もはやすさまじいと言わずにおられようか。
遠目にはよくても近くで観たら興ざめって、ありがちなことだが、この場合、距離が短くなるほど確実にパワーは増してゆくのだ。
リゼットじゃなくて、この王子を人形にして家に飾っておきたいよ。

でも近くで観たらパワーアップするのは王子だけじゃなかった。


実は私、みんなが言うほどクロードっていいと思ってなかったのね。
それがどうでしょう。
わずか1mほどの距離で見たら、カッコいいのよ、これが!ホント。すみません、近鉄アート館では私の眼は節穴でした。



べつに楊さんがカッコよくなかったというのじゃなくて、「クロード」という役そのものが大していい役とは思えなかったという意味だ。
元来、私には悪役をカッコいいと思う感性は少ない。正統派主人公が最も好きという、わりに月並みなセンスの持ち主だ。
なんとか戦隊だったら、赤いリーダーとか、明朗快活タイプと陰のあるタイプのコンビだったら明朗な方とか。

そんなわけで、プリメール王国だったら当然、一番はレオナード王子でしょ。

と、いうのが自明の理だったのだね。

フエルト人形用の下絵を見せて、「実際にお人形にするとしたらどれがいい?」と友人に聞いたらだんぜんクロードが人気だったのが、私には意外だった。(ちなみに、材料だけ集めておいて人形はまだひとつも作っていない)

それなのに。

近くで観られるって本当にすごいことです。
なんかこう、演じている人のオーラがびんびんと感じられるからかなあ。
しかも普通の劇場の客席降りよりもさらに身近に、まるで舞台の上の同じフィールドに身を置いているかのように感じられるこの状況。


レビュー・カフェでは、悠浦・楊・舞美、3人のフリートークをはさみながら、劇の場面を再現してくれた。


レオナードの歌で人形のリゼットが目覚めて歌いだすところ。
自信たっぷりなクロードが「え、こんなはずじゃ・・?」となって、二人がラブラブになっていくにつれて絶望→敗北の表情。そして黙ってさびしく横のドアから退場。その後ろ姿にきゅんとなる。


「これが私の愛の証し」なんてことをごちゃごちゃ言わずに黙って一人寂しく立ち去るってとこが、本編よりよかったわー。このほうがクロードの哀愁が心にしみる感じ。
本編では、あっさり身を引かないで最後にひと暴れしてほしいとか思ったけど、いっそ無言で消えるのならそれも潔くていいみたい。


今回、私の席はラブラブな二人は遠く、敗北して哀愁のクロードさまはすぐそばだったので、二人はお歌を聴くだけにして、ひたすら楊さんの表情の変化を見ておりました。
それでクロードに感情移入しまくりw

王子とクロードがはげしく対立するところ、私のテーブル(他の方々もいます)をはさんで右と左に二人が向き合っているのを真ん中で忙しく右を見たり左を見たりしながら、(心の中で)「けんかをやめて、二人をとめて」と竹内まりやするというぜいたくな時間でございました。




一方で、役を演じている時とフリートークの時との落差が激しく、それがまたおもしろい。


劇のシーン抜粋の間に入るトークは、なつかしの武生公演MCを思い出させるゆーら節。大ボケ悠浦、小ボケ舞美にツッコミ楊という3人漫才のような、ゆるゆるおもしろい中にプリメールファンには嬉しい小ネタがはさまって、私はとても楽しみました。



悠浦くんが武生公演のMCをしたのは、入団2年目の2009年、桐生さん主演のファシネーション。
先輩娘役・珂逢こころちゃん(2011年退団)、同期の愛瀬光くんと3人でつとめたのだが、これがけっこう数ある伝説の武生MCの一つになっている。
武生公演は、日舞から洋舞に衣装替えをする時間稼ぎに2~3名の劇団員がMCを受け持つのが恒例だ。歌を歌ったり、客席に降りて「どちらから?」などと客に聞いたりする。近年は台詞がきっちり決まっているようだが、以前はかなり自由度が高く、担当の劇団員が毎日言うことを考えているらしかった。
そこで2009年である。
新人二人のグダグダトークを先輩娘役がひきしめるという役回りだったわけだが、あまりにフリーダムな二人にかかっては「MCの天才」と言われたこころちゃんも収拾するのに毎度四苦八苦のようすだった。
思えば、MCのトーク内容がフリーではなくなったのはその次の年からだった。(そしてついに、昨年はMCそのものが無かった。今年はどうなるのか。いかにもローカルイベントっぽくて私は嫌いじゃなかったが、担当する人にはかなり負担が大きかったようなので無くなるのも仕方ないかと思う)

そんな昔のことを思い出したりしていたのだが、考えてみれば武生のあの時もグダグダの元凶は悠浦くんではなかったか。
どうも悠浦くんの周りでは他と違う時間が流れているのではないかという気がする。
なんだか、ちょっとだけテンポがゆるやかな、ほわわんとした、のどかな春の海のような。

そして、そのほわわんとした調子で思いもかけないことを言い出すのである。


今回のプリメール出演者3人によるレビュー・カフェは公演が3回あった。
当初、私は2回目だけを見る予定にしてチケットをとっていた。
それが、3回目も急きょ見ることになり、1回目はニコニコ動画で生放送されたものを見たので結局、3回とも内容だけは知ることになった。

そんなに繰り返し見た理由の最たるものが、役替わりである。

7月の再演でも話題となった役替わり。レオナードとクロードの役を取り換えて演じる。
この可能性をレビューカフェ以前に考えた人がいるだろうか。

元々、「プリメール王国物語」は端役に至るまであて書きと言ってよいほど出演者が役にしっくりはまっていた。
キラキラの王子役は悠浦あやとにいかにもふさわしく、麗しい悪役は楊琳にぴったりだった。
誰もがそう思ったのではないか。
少なくとも私の知る中では、反対の配役の方がよかったのじゃない?という声はなかった。
私自身、思いもよらないことだった。

実際に役替わりでの上演を見終えた今なら、楊レオナードも悠浦クロードもあり得る、どころかこちらのほうがいいという人すらいるぐらいだが、その時は役を取り換えたらなどと誰も想像しなかった(と思う)
いや、一人だけその可能性を考えた人がいた。

それは悠浦あやとその人だった。

レビューカフェ、1回目のフリートーク中。
今でははっきり覚えていないが、劇中の好きな場面とかセリフを言うのだったか。
悠浦くんが「クロードの役がやりたくて、セリフを練習している」みたいなことを言った。
で、実演してみようということになって。
舞美さんを相手にBGMも入れてもらってクロードを演じたわけだ。

実際にその場にいた人及びニコニコ動画を視聴していた人は、これを聞いてどう思っただろうか。
私と同様に、意外と悪くない、と思ったのではなかろうか。

「じゃあ、次は楊さんがレオナードで」と言われたときの楊さんの驚きようは嘘ではなかったと思う。
ちょ、ちょっと何を言い出すの、この子は・・・え、わたしもやるんですか?みたいな。
当然、客はおもしろがって拍手する、ていうか、ここまできたら楊さんの王子様も見てみたいよねというのが人情だろう。
えええ~、明日までにお稽古しなきゃ・・・という楊さんのとまどったような表情も演技じゃないように見えた。
あらかじめ、打ち合わせた成り行きのようには思えなかった。

考えてみれば、役者の立場としてはひたすらキラキラしていればいい王子様よりも陰のある悪役のほうがやりがいがあるのかもしれない。
レオナードは素直にすくすく育ったような人物なので、その気持ちや心の動きを想像するのもたやすいが、クロードのほうは謎めいて屈折しているだけに、人によって解釈も異なり演じ方もそれに伴って変わる可能性があるところがおもしろい。

だから、悠浦くんは自分がクロードを演じるとしたら、どんな風にしようかと考えることもあったが、楊さんのほうはあまりにも悠浦くんがレオナードそのものであることもあって自分がレオナードを演じようとは全く考えていなかったのではないか。
レビューカフェのときの二人のやりとりを見ているとそんな印象をうけた。

次の日、レビューカフェの2回目。
私はその日、はじめて生で役替わりを見ることになった。(1回目はニコ動で見た)


今回のお楽しみのひとつは、クロードとレオナードの役替わり。楊さんのレオナードは、ちょっと刑事Xの従兄弟ぐらいか、と思わせる雰囲気。ピュアでイノセントな人の演技となると刑事Xに近づいてしまうのかな。


7月の公演での役替わりでの楊レオナードはもはや刑事Xを思わせるところは全然なく、新たな人格が創られていた。
つまりは、2月の時点では楊さんのレオナードは急ごしらえであったことが推察される。

一方の悠浦クロードは既に自主研鑽を重ねていたと思われ、7月の役替わりで見せたなかば狂気の入った偏執的な人格の片りんが既に現れていた。

1回目は悠浦クロード。
2回目は楊レオナード。

3回目は入れ替わった二人の掛け合いをお見せします、と言われたら。
思わず、2回目の後に受付で「3回目の券はありますか」と尋ねてしまった私の気持ち、わかっていただけるだろうか。

こうなったら全部見届けずにはいられない。

3回目の役替わりで演じられたのは、2幕第10場 囚われのリゼットのもとに駆け付けたレオナードの前にクロードが立ちはだかってのセリフの応酬である。

「リゼットは人間だ」
「ちがう、わたしの人形だ」

という迫真の掛け合いの末に、本編ではクロードの「お前には渡さない」で始まる『2人の愛』という歌が始まるのだが、カフェのときに、悠浦くんが「おまえに~は」と歌い始めたら、楊さんが慌てた調子で「え、ちょ、ちょっと歌までいくんですか」(歌はやめときましょうよ~聞いてないよ~練習してないよ~というニュアンス←類推)。

これを見ても、役替わりという試みには悠浦くんのほうが積極的な感じがした。

ともあれ、こうしてうかうかとチケットを買い足して、悠浦くんのというか劇団の手にのってしまった私であった。

役替わり。
レオナードとクロード。互いの役を入れ替える試み。
悪くなかった。

でもそれは、レビュー・カフェという特殊な場でのお遊びとしておもしろかっただけのこと。
私はそう思っていたのだが、皆様もご存じの通り、お遊び企画では終わらなかった。

7月の再演で役替わりが行われることが発表された。

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