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『ラ・カージュ・オ・フォール』

昨年の8月のこと。
東京へ行く機会があったので、空いた時間に帝国劇場でミュージカル『三銃士』を見た。
その時、ロビーで来年上演予定の『ラ・カージュ・オ・フォール』の映像を流していた。
タイトルと、ゲイの出てくる話だということぐらいしか知らなかったのだが、舞台のようすや主演二人のインタビューなどを見ていると、随分とおもしろそうで、大阪でも上演されるのだったら見たいなあと思った。

それに、ストーリーを聞くと昔あった映画に似ている。
あとで調べたら、その映画『Mr.レディ・Mr.マダム』(1978)と同じ原作だった。国によっては同性の結婚が法律で認められていて、実際に有名人のカップルの結婚がニュースになったりする現代と違って、まだ一般人にとってはゲイのカップル自体珍しい時代だったので、その映画にも興味があったが見る機会がなかった。

ともあれ、2月に梅田芸術劇場で上演されると知って観劇の日を楽しみに待っていた。

楽しいミュージカルだ。
笑わせて笑わせて、ちょっぴりホロリとさせる。
最後のドタバタで最高潮に盛り上がった後、一転してしっとりさわやかに幕。
ショー場面もたっぷりある。
そして、出演者がみんな芸達者。
優れた脚本、演出、役者がそろった一流のエンターテインメントだ。


ゲイクラブの経営者ジョルジュ(鹿賀丈史)と看板スターザザ(市村正親)は20年来共に暮らすゲイのカップル。ジョルジュの息子ジャン・ミッシェルが婚約者と両親を連れてくるが、相手はジョルジュの家族がゲイとは知らない。そこで巻き起こる騒動、という話。

家の隣がゲイクラブで、そこで上演されるショーが、劇中に何度か挟まる。ショー場面は質量ともにかなりの割合を占めていて、見ごたえがある。
ショーに出演している踊り子(♂)役の人たちは、ジョルジュの家庭内のドラマには直接関わらないが、劇全体の中では重要な役割をはたしている。つまりそれほどショー場面は充実している。パフォーマンスのクオリティも高い。

楽しいんだけど、見た感じグロテスク。
これ、マイナス評価じゃありません。
たぶん、演じる側もそれをねらってる。
普通に女の人がやってるみたいに綺麗に見えたら、ゲイのショーである意味ない。
見た目エグくて、いかがわしくて、笑いをとりつつ、でも、技術はハイレベル。

カンカンもすごい。
バク転ありのカンカンって、初めて見た。
あの、内部ヒダヒダのあるスカートで連続バク転するととてもきれい。

ただ、これが好きか、と言うと。
すごーく好き、とは言い難い。
実は事前にこの劇中のカンカンの評判は聞いていて、たしかに見たらすごい、と思ったのだけど。
先日、OSKの公演で見たカンカンより、なるほどいろんな点で上かもしれないけど、私個人としてはOSKのカンカンのほうが好きだな、と思った。
ファンの身びいきだけではない。
『ラ・カージュ』の全員♂のカンカンは見た感じ、可愛くないの。

本場のカンカンを見たことがないので、本来、カンカンが可愛くなければならないかどうかは知らない。
もしかしたら、「いかがわしい」のが正しいのかもしれない。
でも私の確固たるイメージは、カンカン=可愛いもの、だ。
だって、あの衣装、可愛いでしょう?
ボンネットといい、ひだひだのスカートといい、スカートからのぞくフリフリのドロワースといい、まるでロリータファッションというか、動くアンティックドールというか。
(だからこそ、『ラ・カージュ』の踊り子さんがやると、よりグロテスクさが増しておもしろいのだけど)

私のカンカンのイメージを形作った最初のモデルって何だろう?と考えて、「これだ」というのに思い当った。

それは、今は無き宝塚ファミリーランドにあった大人形館。
例のネスミ王国の「イッツ・ア・スモール・ワールド」のパクリみたいな(というか、たぶんパクリだったのだろう)世界の国々の民族衣装コスプレ人形を見てまわって世界旅行気分を味わおうというアトラクションだ。
これがファミリーランド内にオープンしたばっかりの頃のことを覚えている。当時は、まさか将来国内に本家本元ができるとは夢にも思わず、自分が一生のうちに海外へ行くこともあるとは予想できなかったので、それなりにけっこう楽しいと思って満足していた。(後に知った本場のものに比べると大分ちゃっちかったが)

さて、その大人形館のフランスの区域に、カンカンを踊っている人形が何体かあった。遊園地のお子様向きアトラクションだ。人形は当然可愛らしい子供のような顔かたち体型をしている。
カンカンというと、私はどうも第一番にあの人形を思い出してしまうようだ。
実のところ、女性がやっていても、大人の女性では私の中のカンカンのイメージとは若干ズレてしまうのである。

カンカンに関しては、そんなふうに思うところがあるのだが、全体として、やっぱりショーは見ごたえがあったし、家庭内ドラマの部分でも適度に歌が入り、楽しく盛り上げる場面あり、しっとり聞かせる場面あり、緩急自在でバランスのとれたストーリー展開は、さすがに定評あるミュージカルだと思った。
もちろん、すべては出演者の好演あってこそであることは言うまでもない。

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