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「縁あって乙女文楽 吉田光華の世界」その2

その1からのつづき


プログラムの4番目は、乙女文楽と浪曲の共演。

浪曲というのは、しぶい声でうなる浪花節として、なんとなく知っているつもりでいましたが、まともに1曲聴いたのは、去年の夏が初めて。
やはりOSKが出演するイベントでのことでした。

(余談ですが、2月の花月真さんのコンサートといい、今回の尺八や浪曲といい、OSKという窓口を通して、今までなじみの無かった世界を垣間見る機会を得ることができました。
どんなジャンルでも、まず一歩踏み出すことが、別の世界への扉を開けることになるのだなあと思います。)




さて、初めて浪曲を聴いた印象は、驚くほど浄瑠璃に似ている、ということでした。

お芝居のような掛け合いのセリフがあって、一人で全ての登場人物を演じる。
ト書きにあたる部分も同じ人が語る。
ところどころ独特の節回しで盛り上げ、三味線の合いの手が入る。

これは、文楽における義太夫と三味線の役割とほぼ同じ。

それもそのはず、義太夫節と浪曲は、日本の音声芸の中では、同じカテゴリーに分類されるのです。

以下は、よみうり文化センターの文楽講座で学んだことです。

音声芸というのは、文字通り、音声を使った芸能です。
日本の伝統的な音声芸は3種に分けることができます。
まず「歌い物」 歌です。催馬楽、今様、民謡、長唄、地歌、端唄などが入ります。
次に「話芸」 しゃべりだけで物語を構成します。落語や講談などです。
この2つの中間に「語り物」というものがあります。 ある部分では歌い、ある部分ではしゃべるというもので、日本の音声芸の主流を占めるものです。
義太夫節も浪曲も、この「語り物」というジャンルに含まれます。
他には、平曲(琵琶法師が語る平家物語)、謡曲、説教節、などがあります。
なお、義太夫節は浄瑠璃の一種で、浄瑠璃=義太夫じゃないんですと。
常磐津や清元なども浄瑠璃に含まれるそうで、義太夫節はその中の代表的なものであるとのことです。

さあ、なにやらいっぱい出てきましたねえ。
この中でどれだけ実際に聞いたことがありますか?
講座でもらったプリントには、もっといろいろ書いてあったのですが、名前だけでも聞いたことがありそうなのを抜書きしました。
それでも催馬楽や今様や平曲なんて、本物を聞いたことはありません。
常磐津、清元あたりも歌舞伎や日本舞踊で使われるから、一応聞いてはいるかな?というぐらいで、独立して演奏されたのを聞いたわけではありません。
説教節は、去年の「上町 春めぐり」というイベント(これもOSKが出演するので見に行きました)で、録音テープでごくさわりの部分を聞いただけです。(興味のある方は2009年4月19日付けの記事参照)

50年以上生きてきて、今さらながら、日本の伝統芸能にうといなあと思います。
その上、わずかな知識も書物から得たものだけにとどまっているんですね。
実践がともなってないの。
芸能関係って、やっぱり本の知識だけじゃダメです。
自分で演奏、っていうのは無理でも、せめて本物を観たり聞いたりしないとわからないものなんだと、このごろ実感しています。

せっかく日本に生まれて、この国で培われた文化を知らずに過ごすというのはもったいないことだと思います。
お財布と相談しながら、これからもいろんな伝統芸能に触れていけたらと思っています。

また話がそれましたが、元に戻しますと(どこまで戻ればいいのでしたっけ?)。

浪曲が義太夫に似ている、と感じたところまで、戻ればいいのかな。
そして、それには根拠がある、つまり、二つとも「語り物」に分類されるからだ、というところですね。
だから、私が勝手に思っただけじゃなく、この二つは似ていて当然なのですよ。

と、すると、普通は義太夫節とともに演じられる人形浄瑠璃は、浪曲とも相性がいいということになるわけです。

それで、実際に演じられたのを見たら、本当に相性ぴったりだったのでした。

以前に見た乙女文楽座の公演では、演目は伝統的な浄瑠璃で、義太夫を語っていたのは(録音でしたが)女流義太夫の方でした。三味線の演奏者は、名前からは性別がわからなかったのですが、女流義太夫の公演では三味線も女性が演奏していらっしゃいましたから、たぶん女性だろうと思います。
女性が人形を遣う乙女文楽には、義太夫三味線も女性が演じるのが似合います。
そして、今回の浪曲との共演では、浪曲師、三味線・筝の演奏、すべて女性だったのも、乙女文楽にふさわしいという感じでした。

演目は「番町皿屋敷」
登場人物は数人いますが、人形は1体だけなので、お菊だけが人形です。
どちらかいうと浪曲が主体で、お菊の役だけ人形が演じているのを見るというかたちでした。
しかし、一人だけでも登場人物が具象化していると、お話がぐっと立体的に見えてきます。
浪曲では、すべての人物のセリフを声色を変えながら演じますから、お菊の一人芝居ともまた違った雰囲気です。

浪曲を聴くのは2回めですが、前回は現代物というか昭和の話という感じで、私は古典的な演目のほうが好みかもしれないと思っていましたら、やはり今回聞いてみて、その通りでした。
どうしても大げさな台詞回しがあったりするので、時代劇の方が自然に受け入れられる気がします。

三味線に筝が加わっていたのも、音色が華やかになって効果的でした。



今日はここまでにします。

コメント

音声芸についての解説、ありがとうございます。頭が整理できました。

色んなきっかけで世界が広がったり繋がったりするのは面白いですね。

>華崎さん

受け売りの知識ですけど。
お役に立てば幸いです。

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