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乙女文楽について

一般に知られている文楽というのは、三人遣いと言って、首と右手を主遣い、左手を左遣い、足を足遣いというふうに3人で協力して人形を動かします。
なお、文楽の世界は義太夫の語り手、三味線の演奏者、人形遣い、演じる方々に関しては、全て男社会です。
(衣装や床山など裏方には女性もいらっしゃいます)

これに対して、乙女文楽では、女性が一人で人形を動かします。


実は、現在は三人遣いの人形浄瑠璃も最初は一人遣いでした。
江戸時代に「曽根崎心中」を演じているところを描いた絵をみると、人形遣いが一人で小さめの人形を頭の上にかざしています。
実際にどんなふうだったか、絵を見ただけではよくわからないのですが、どっちかいうとNHKの人形劇のような感じかなと想像しています。
この一人遣いから、より複雑な表現を求めて三人遣いが開発され、それが主流となりました。

また現在でも、一人遣いの人形があります。
それは、捕り方とか、村人たちとか、その他大勢の役の人形です。
この場合は、首と右手だけを人形遣いが操作し、左手と足はぶらぶらしたままです。
大勢でわいわいするだけの役なので、それでも足りるみたいです。

乙女文楽の人形の操作方法は、初期の人形浄瑠璃とも、その他大勢役のとも違います。
一見したところ、身体の前面にお人形がくっついている感じに見えます。
首は人形遣いの頭と紐でつながって、人形遣いの頭の動きがそのまま人形の首に伝わるようになっています。
人形の胴体と、人形遣いの身体をつなぐ方法は、2種類あるらしいのですが、その一つ腕金式ですと、二の腕に通して引っ掛けた両端の湾曲した金属の棒で人形の支柱を支えます。
人形の左右の腕は、衣装の袖に手を通した遣い手が直接持って動かします。
両足は、遣い手の太ももに固定されます。
このようにしますと、人形を操作するというよりも、人形を遣い手の身体に直接装着するといったほうがいいでしょう。
従って、遣い手の動きはダイレクトに人形に伝わることになります。


2006年の1月に私の住む市の生涯学習センターで乙女文楽の公演がありました。

私はその前年に、はじめて国立文楽劇場で文楽の生舞台を見たばかりで、その時までに文楽の公演も数回しか行ったことがなかったのですが、それでも三人遣いとの違いははっきりとわかりました。

特に顕著なところは首の動かし方です。
文楽では、首の中に仕掛けがあって、人形遣いはそこへ左手を入れて操作します。
首の向きを変えたりするのも、左手を使って行います。
乙女文楽では、遣い手は頭を動かすことによって人形の首を動かします。
例えば、人形がイヤイヤと首をふるときは、遣い手自身も頭をふっているわけです。
そして、手も足もそれぞれ、遣い手の手足と直接くっついているわけですから、遣い手は身体全体で人形の動きと同じ演技をすることになります。

文楽が人形を操るという感じなら、乙女文楽は人形と一体になるという感じです。

2006年に私が見たのは、乙女文楽の発祥以来の人形遣いである吉田光子さんが主催する乙女文楽座の公演でした。

演目は、「艶容女舞衣(あですがたおんなまいぎぬ)」の酒屋、「新版歌祭文」の野崎村、「義経千本桜」の道行初音旅など、文楽でおなじみの有名な演目のごくサワリの部分がいくつか。
座長の吉田光子さんは、酒屋のお園を演じられました。
当時90歳を超えられていたはずなのですが、重さが5キロ近くあるという人形を身体につけて見事に演じられていました。


さて、今回、乙女文楽がOSKと共演することになりました。




 「第12回 縁あって~吉田光華の世界」

日 時  2010年5月9日(日)  午後2時開演(1時半開場)
場 所  太閤園 3階 ダイヤモンドホール
        大阪市都島区網島町9-10
        (JR東西線「大阪城北詰駅」3号出口より徒歩1分)

料 金  前売 4000円 当日 4500円  (全自由席)

出 演  乙女文楽> 吉田光華
      OSK日本歌劇団> 真麻里都(男役)・恋羽みう(娘役)・藤間豊宏(振付)
      浪   曲> 春野恵子・一風亭初月(曲師)
      現代邦楽> 星田一山(尺八)・福脇文渓(筝)・渡部志津子(筝・十七絃)
      案内人>   いま寛大

主 催  光華座


公演詳細についてはこちら


プロフィールによりますと、吉田光華さんは、私が以前に見た吉田光子さんに師事されたとのことです。
人形遣いに日本舞踊の素地を生かしていらっしゃるとのことですが、既に述べましたように、従来の文楽以上に人形と遣い手が一体となって演じる乙女文楽では、それによって、より豊かな表現力を発揮することができるであろうと思われます。

一度しか見ていないので一概には言えませんが、吉田光子さんの乙女文楽座では、伝統的な文楽を演じることを主体とされているようにお見受けしました。
これに対して、吉田光華さんは、異なるジャンルとのコラボレーションに積極的で、新しい表現世界を開拓することに熱心に取り組まれているようです。
伝統芸能としての乙女文楽を、現代に伝えていく上で、とちらも大切な活動だと思います。

それでこのたびは、乙女文楽とOSKの劇団員さんが共演するというわけです。

OSKの前身、松竹楽劇部の創設が大正11年。
乙女文楽が考案されたのは大正14年。

ともに大正時代後期に大阪で発祥し、現代に伝えられている文化ということで、共通するものがあります。

出演するのは、OSKの若手のホープ、真麻里都さんと恋羽みうさん。
なんとなく、日舞で人形と共演するのかしらと思っていたのですが、OSKの劇団員ブログによれば、なんと真麻さんがタップダンスを披露するとのこと。
全く予測がつきません。

明日の公演が、とても楽しみです。

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