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春のおどりは よ~いやさ~

春のおどりのオープニングは、チョンパで始まります。

チョンパとは、幕が上がった状態で舞台上に出演者が板付きでスタンバイしていて、チョンという拍子木の音とともに照明がつき、観客の眼前にいきなり華やかな場面が現れる、という幕開きのことをいいます。

OSKの「春のおどり」では、まず暗い中で、「はるのおどりは」という声が聞こえます。
ここは、いい声の娘役が一人で言います。
そして、全員が「よ~いやさ~」
この「さ~」の直後に、チョンパです。

このようにして始まるのは、必ず和風のショー場面と決まっているらしい。
通常、「春のおどり」の第1部は日舞ショーなので、丁度いいのですが、去年の「春のおどり」は第1部が『桜彦 翔る!』で国籍不明の国が舞台のミュージカルでした。
これでは、チョンパで幕開きとはいかなかったらしく、2部のオープニングでチョンパがありました。

しかし、やはりチョンパは「春のおどり」のしょっぱなに欲しいものです。
暗闇にひびくソプラノの「はるのおどりは」という声で、観客はこれから始まる舞台への期待に胸をわくわくさせるのです。
1年間待ち続けた「春のおどり」
今年はどんな舞台を見せてくれるだろうか?

2部のはじめにあったのでは、既に“今年の「春のおどり」”は半分終っています。
わくわくは半減というところです。

それで今年は、チョンパが最初にありました。

よかった!

1部は去年の続編ですから、やっぱり無国籍ミュージカルなのですが、無国籍だから、逆に日本風に似ていてもかまわない、と開き直ったのでしょうか。
日本風といっても、丁髷に日本髪とか、若衆風といった純和風ではなく、金の冠をつけた竜宮城風というのでしょうか、いくぶん、大陸風にも思える雰囲気になっています。
髪の毛が真っ黒ではないことも、和風味を弱める効果があるようです。

以前にも書いたことがあるのですが、あの鳳凰のついた冠を見ると、私は おひなさまの冠と思ってしまいます。


おひなさま

これが、私が子供の時に買ってもらったお雛様です。
掌に乗る大きさの木目込み人形。
これで、内裏雛から、三人官女、五人囃子、大臣、舎人までフルセット揃っています。
なお、冠を被っているのはこのお人形だけ。
他の人形は烏帽子だったり、無帽だったり。



さて、今回のオープニング。

わたしは、ラセツ国の花見の宴だと思っています。

前作によれば、ラセツ国はエスニックっぽい大陸風の文化圏のようですが、古代ヤマト風の天標(あめしるし)の王子と女王が結婚したのですから、両国の文化・風習が交じり合ったとしてもおかしくないでしょう。
元々、花見という風習自体、天標に固有のものだろうと想像します。
前作では、ラセツの桜の木は天標から贈られたものということになっていました。

華やかに繰り広げられる花見の宴は、桜彦とゼノビアの幸せの絶頂を象徴するものです。

で、その花見の宴の中に、姿を変えたグリッソムがひそかに紛れこんでいたのです。
(なお、ラバーナに似た人もいますが、彼はラバーナの従兄弟、でなければ、他人の空似です)

途中でグリッソムは正体をあらわします。

ここが、桜彦と入れ替わりにグリッソムがせり上がってくるところです。

この場面、後から出てくるような悪役らしいメイクなど無く、最初に踊っていたときの衣装はほとんどそのまま。
羽織ものだけが変わっています。
それだけで、すっかり黄泉の帝王に変身してしまうなんて、桐生さんにしかできないことだと思います。
角も悪役メイクも無くたって、これは人間以外の禍々しい力を持つ者だと、誰しも納得できるのは、あの彫りの深い特異な風貌あってのことでしょう。

前作ではとってもいい人の役だったのに、今回はすっかり悪役なのは、ちょっと不満なのですが、そのあまりのハマリ役ぶりには、感心してしまいます。

ただ、作中では中途半端にホントはかわいそうな奴なんだよ的な事情があって、同情をひいているのは、どうかと思います。
いっそのこと、徹底的に悪の帝王にしてしまって、ばしっとやっつけたほうが、見ているほうはすっきりするような気がします。

前作のラバーナとアリアンローザもそうですし、近鉄時代の「新・闇の貴公子」の敵役、小野篁と小野小町にしても、悪に走ったのは、それなりの理由があって、実は哀れな者たちなのだ、という設定が、北林作品の特徴なのかもしれません。

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